「実子以外の子育てにかかわることについての意識調査」アンケート結果より
-研究の目的-
実親による養育が叶わない子どもに関しては誰かが中途より養育に関らなくてはなりませんが、養育者が交替する上での子育ての課題は一般に知られているとはいえません。
つまり、家族の義務から意図せず中途養育に携わることになった人の多くは、その養育に関るスキルのない状態から養育に入らなくてはならないということです。しかも中途養育当事者は、自らの養育に関する困難を公の場で伝えることが殆ど出来ていない現状があります。
それは自らの関わる養育形態に根ざした様々なスティグマの概念にも関連するでしょう。そのネガティブな捉え方が中途養育される子どもに対する支援の妨げとなっている可能性も考えられます。
形態による養育環境の違いはある程度止むを得ないとしても、その不平等から子どもの発達に影響を及ぼすような状態はあってはならないことでしょう。
それら問題点を少しでも軽減するためには、中途養育形態毎の環境の違いを客観的に抽出し、それぞれの問題点を明らかにしないと支援の方向性も見えてこないと思われます。本研究は、養育形態による困難の違いを明らかにし、実際の中途養育の現場における「子育てに必用な支援」を探ることを目的としています。