Aさんという架空の人物の事例研究を通して

著者は2004年から2012年までの間にインターネット上のブログやSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)において、およそ200名程度の中途養育者と知り合いました。

オンライン上でのやりとり以外にも、一部の方々とは実際に面会し、養育についての問題、家族間の問題等、様々な話を聞いてきました。そこで得た情報の多くは著者自身が「中途養育の当事者(ピアサポーター)」の立場から知りえた情報です。つまり、あくまでも口外されない前提で話されたものであって、それを事例として紹介することは出来ません。しかし、そのようなプライバシー厳守の環境で話された事象についての困難、ストレスは、当事者以外の第三者には伝わり難い、理解され難いものとなっている側面も持ち合わせています。

その匿名性が支援の妨げとなっている可能性も否定出来ません。

そこで著者が知りえた複数のエピソードを組み合わせ、架空の事例としてのケース研究としてみました。ベースは概ね著者自身が経験した養育形態に基づいていますが、場合によっては他の事例を付け加える形となっています。 この事例はAさんという架空の人物を通じ、家族構成が変化した際に、その時々の家族構成員の役割がどのように変化するのかを理解する手掛かりとなるよう意識したものであり、親族による養育形態を中心としていますが、中途養育を代表するものではありません。参照→何が困難なのか

事例のその時々の後に(Aさんの同居者数、Aさんの扶養人数)を記した。また、キーワードとして関連する社会的制度や、付随する問題等を補足しました。


1) 時系列的に変化するAさんの世帯周辺を見る
2) ステップファミリー
3) 乳児院 児童養護施設に関するイメージ
4) ボウルビィによる代替養育案
5) アタッチメント理論と「愛着」という概念
6) 養子縁組
7) 児童扶養手当制度
8) 親族里親制度
9) 太郎くんの発達について
10)花子さんの発達について
11)真実告知について
12)何が困難なのか

子どもと影

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