04.中途養育の困難とは

総合的考察


中途養育の形態による困難の研究の中から、今回初めて様々な方面の方に向けて「実子以外の子育てにかかわることについての意識調査」を試みました。

勿論、この調査が完全だとは思っていません。

中途養育形態による困難の調査対象の数や質問項目の捉え方などによる誤差、分母となる偏差の曖昧さなどもありますし、多くのことは未だに判っていません。

しかし、いくつかのことは明らかになったといってもいいと考えています。

それらの「いくつか」と、そこから考えられることを養育形態毎にまとめました。

卒論の要旨に結果の傾向として表記した内容とほぼ同じです)

未経験者群
  • 「母と子の関係」を中心とした社会的支援を概念の基底として考える傾向がある
  • 中途養育の困難として「血の繋がり」項目を捉えている。
  • これはおそらく中途養育者が形態によらず共通に感じている「社会的偏見」として無意識的にアウトプットされている可能性も示唆される。
職業的養育群
  • 「行動や発達など、子ども自身の特性に関る問題」に困難を感じ「養育に難しさ」を感じる項目が他の養育形態よりも突出して高い。
  • この理由は「他の項目に該 当しないため集中した」のか「実際に養育に困難を生じているのか」現時点では明らかではないため、さらなる調査を必用とする項目であろう。
ステップファミリー群
  • 困難と感じる度合、該当項目共に他の形態と比較しても非常に多いが、中でも「住居や日常生活」の項目で困難度が高い。
  • これは具体的には食事の時間や、継子 と過ごす時間やシチュエーションであるが「子ども自身の特性」と、(家族間での子育てに関する意見の不一致)とが重なって、より困難を複雑にしていると思 われる。
  • 「経済的サポート」項目が他の群よりも低いことは実際の金銭的支援の無い状況からしても不自然であるが、これは他の困難度合との比較から低く出て いる可能性もある。
里親群
  • 「心理的サポートの不足」を強く感じている。
  • また、自ら進んで養育者になっているように養育姿勢には積極性が感じられ、「知識・経験に関するこ と」も困難として高い得点となっているが、実際の養育研修の不足等から来るかは判らない。
  • また、「以前の養育や家族、血の繋がり」、「社会的との関係」等 の困難度も高いが、現在の家族間でのストレス要因が少ないことは、ステップファミリーと異なる点である。
親族養育群
  • 「経済的サポートの不足」、「社会との関係」が困難度として高くなっている。
  • また地域の偏見に困難を感じている。
  • 親族の傾向として、「恥」 「決意」そして「責任(がとれない)」等のキーワードより、里親群とは逆の「望んだ訳ではないが止むを得ず」養育に関るものとして「困難の表明」を自主的 に規制しているかのようにも感じられる。
ステップファミリー、
里親
親族の約半数
  • 社会的に実子でないことを伝えていない。
  • この事実は子育てにおける様々な困難を作り出していると思われる。

 

以降は、これらのことを実際の支援として導くために、愛着にかかわる概念など、いくつかの問題を整理して考えてみたいと思います。

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