里親という選択肢を考える

中途養育者支援を広め隊
中々更新しないまま日々過ぎていることを反省しつつ、「里親さんを広め隊」という団体さんより寄稿の依頼がありましたので、この際、文章をそのまま転載します。
手抜きで申し訳ないm(__)m

平成28年3月末に「子供の養育者が交替するときー中途養育者を支援する必要性について」という小冊子を作製しました。


こちらのURLからPDFデータをダウンロード出来ますし、もし必要であれば、パワーポイントのデータを加工して再配布頂けます。
私はこの冊子についての権利を主張しません。
それよりも一人でも多くの方に読んでもらうために使って頂けたほうが嬉しいです。

中途養育者とは、通常の養育者のように実子を産んで育てているのとは違った、養育を交替した人であり、例えば里親や継母、親族などが該当します。乳児院・施設等の職員、LGBTの方々の子育ても中途養育と考えます。

これら中途養育者は、それぞれの養育スキルやサポート情報を共有するべきです。
養育者が交替しても子どもの成長がリセットされるものではないからです。
中途養育者には立ち位置に関わらず、共通の支援が必要です。
それは紛れもなく養育スキルの偏りが子供の発達に影響を及ぼしてはいけないからです。

私自身は「親族」という立ち位置で、中途養育に関わりました。
(この養育形態には「親族里親」という制度もあるのですが)三親等の扶養義務を行政側がどう捉えるかなどいろいろ問題点を含んでおり、実際には多くが「子連れ再婚」などと同様に「非公式な養育」と捉えられています。
事情は様々でも養育に携わるのは殆どが環境要因の結果です。
それに対していわゆる社会的養護(乳児院や児童養護施設、里親・ファミリーホーム等による公式な代替的養育)は、自らの主体性によって養育に携わる人が多いと思います。
いずれにせよ、これら中途養育者の行動はとても「向社会的」であり、本来褒められて然るべきではないでしょうか。

しかし、現実社会は中途養育を「偏見の目」で見ることの方が多く、実際には誹謗中傷に晒されているといっても過言ではないような気がします。
マスコミも「虐待事例」として報道したり、物語も、例えばシンデレラのように意地悪な「中途養育者」が好んで描かれているような気がしてなりません。

そのような環境で多くの心ある人は怖くなって「自分には関係ない」という判断をしてしまいがちなのが現実かと思います。
しかし本当に「関係ない」で、いいのでしょうか。
「親が悪いから、子どもが苦労するのは仕方がない」というのは間違いです。
子どもは養育者の所有物ではありませんし、誰もが養育を受ける権利があるのと同様に、我々社会に所属する者は全員、これから社会に出ていく一人一人の子どもの成長に責任があります。
「実親」が子育てに関わらない(関われない)のなら、誰かが替りに養育をしなくてはいけないのです。

日本は世界的に見ても「実親が子供を育てる」といった規範のとても強い国です。
しかし、家族形態が多様になる中、そのような考えは全国的に改める必要があります。

「里親さんを広め隊」さんが作られたこの機関誌を手に取られたのであれば、里親や中途養育について、少し考える機会を持ったのだと思います。

先ず「こどもの気持ちになって考えて」みることをお勧めします。

たしかに血のつながらない子どもを育てることは簡単ではないと思います。
だからこそ多くの養育者が手をつなぎ「実親以外の養育」を一般的に捉えられる世の中にし、自分の子だけではなく、社会全体の「子育て」を考えていけるようにするべきだと我々は考えています。

中途養育者サポートネット
A-Step代表 町田 彰秀

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